不妊治療基礎知識

ARTについての基礎知識(1)〜受精成立についてのお話

今回から数回にわたってARTについて、解説してまいります。

 

 

ARTとは、体外で生殖医療を補助する不妊治療のことを指し、生殖医療技術、高度生殖医療、生殖補助医療などと呼ばれる事もあります。

 

 

まず今回は、精子と卵子が受精する際の基本的な部分をご紹介します。

 

受精をするためには精子と卵子の存在が不可欠であり、いずれも半数体の遺伝物質を持つ細胞になります。

 

また、受精自体は卵子及び精子が下記のように各々、卵管増大部まで到達した上で成立し、2倍体の胚が形成されます。

 

 

<卵子>

卵巣からは毎月1つずつ卵子が排卵し、卵管の先端部分に位置する卵管采に吸引されて卵管増大部へ移行します。

 

この、卵子を卵管に取り込む卵管采が機能しない状態のことを「キャッチアップ障害(卵管采不全)」といいます。

 

 

<精子に関わる動き>

精巣の中で生産された精子は、1回の射精で約1〜4億匹が放出され、子宮や卵管などを移動しながら卵管増大部へ到達します。

このとき、卵子までたどりつけるのは100匹程度になります。

 

 

次に、受精についてそれぞれ生殖補助医療の立場から詳しく解説していきます。

 

 

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◆  精子の形成

 

精子は、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの刺激を受けて、精原細胞から精子へと変化していきます。

 

このとき、精子の元になる精原細胞は2度の減数分裂を経て、DNAを持った未成熟な状態の円形精子細胞になります。

この円形精子細胞は、核の凝縮や先体及び鞭毛の形成などを経て精子へと形成されます。

 

このように、減数分裂を行う事で、次世代での遺伝的多型の存在を獲得する事ができます。

 

 

また、精子は卵子を活性化させるために必要な運動能と受精能を兼ね備えていますが、精巣精子の段階では十分な運動能力や卵子への侵入能力を持ち合わせていません。

精巣で形成後に精巣を移動する過程で前進運動をしていく過程で、機能的成熟を獲得していきます。

 

このように十分な機能を獲得していく過程を、精子の成熟と呼んでいます。

精子が成熟する過程のひとつとして、精子が精巣上体を通過し、組織特異的なタンパク分子の分泌を受けて精子の機能的成熟に重要な役割を果たすことが挙げられます。

 

 

 

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