不妊治療基礎知識

ARTについての基礎知識(3)〜卵子の数と排卵についてのお話

前回までは、精子の立場から受精するまでをお伝えしましたが、今回は卵子の立場からお話してまいります。

 

 

卵子の元になる卵母細胞の増殖は胎児期に終了しており、その数は妊娠20週頃に最も多くなり、約600〜700万個作られます。

 

しかしながら、その後は急速に減少して出生時には約200〜300万個となります。

 

さらに、排卵が起こり始める性成熟期には約2万個にまで減少し、実際に成熟して排卵まで至る卵子は400個程度となることがわかっています。

これは、初期に作られた卵子の1%以下にもなります。

 

 

ちなみに、40歳前には卵母細胞はさらに急速に減少し、一般的にはその数が1,000個を下回ると閉経になるとされています。

また、この細胞は出生前に作られる事をお伝えしましたが、その後新たに作られる事がないということも特徴の一つとなります。

 

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胎児期の卵母細胞は、第一減数分裂の途中で休止しています。

思春期になりLHサージの影響を受けるようになると、休止状態から発育を開始し、第一減数分裂が完了した上で、サージ開始から36〜42時間後に排卵が起こります。

 

このときLHサージに反応するのは、最も発育の速い1つだけであり、これがGraaf細胞へと発達する事になります。

 

 

Graaf細胞へと発達した後は、大量のLHとFSHの影響受けて成熟卵胞の卵巣一部に破裂孔と呼ばれる穴が空き、ここから卵子が卵胞液とともに排出されます。これを排卵と呼びます。

 

 

この一連の流れの中で、特徴的な事を下記に記載いたします。

 

・  Graaf細胞がLHサージを受けた事により、第一減数分裂が再開する事となりますが、このときに分離する染色体の組み合わせにより、遺伝子の多様性が増加します。

 

・  卵子が第2卵母細胞となったあとは再度休止状態となり、精子の侵入により再開する事となります。

このとき、正常な発生のためには、排卵12時間以内に精子が侵入する必要があるとされています。

 

<ICSIによる受精>

 

精子が先体反応を完了しておらず、精子との膜融合がないので、卵子活性化のため卵細胞質を吸引する操作が行われます。

 

そのため、生殖補助医療では、精子をICSI針で物理的に傷つける事で不動化することで、類似の効果を生んでいます。

 

 

*ICSIとは、顕微授精のことを指します。

 

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