不妊治療基礎知識

ARTについての基礎知識(8)〜培養時のリスクマネジメントについてのお話

これまで、ARTを行う際の注意点を述べさせていただきましたが、今回はそのリスクマネジメントについてお話してまいります。

 

胚移植を行う際には、その環境や設備等に注意を払うとともに、患者から預かった配偶子についても最新の注意を払う必要があります。

 

また、生殖医療においてヒューマンエラーは致命的となる可能背が高いため、胚培養士同士のみならず、他部門との連携や情報の共有も非常に重要となります。

 

この情報は複雑なものではなく、シンプルにわかりやすく伝達することがポイントであり、トレーサビリティーの確保もしておく必要があります。

 

併せて、各作業のリスクを把握し、それぞれの責任も明確にすることが重要です。

 

 

次に、培養室に求められるリスクマネジメントについて詳しく解説してまいります。

 

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<培養室におけるリスクマネジメント>

 

*  患者の確認について

 

・  採卵、胚移植時等の培養室を取り巻く環境の至るところで、患者、検体のチェックを行う。

・  同姓同名や類似の名前の場合もあるので、患者の入室前後や精子の受け取り時には、フルメームに併せて生年月日を患者本人の口から言ってもらうことが望ましい。

・  胚移植直前には、胚移植に関わるスタッフ全員で最終確認を行う必要がある。

 

*  検体の確認について

 

・  患者名だけではなく、患者ごとに識別の色を決め、スピッツに印やシールを貼るなどの作業を行う。

・  採卵終了時には培養室へのパスボックスに残りの卵胞液がないことを確認し、パスウィンドウを完全に閉める。

・  終了した時点で採卵が終了した患者のからスピッツは全て廃棄し、卵胞液スピッツを保温するドライバスには何も残っていない事を必ず確認する。

・  精液採取時には、患者本人だけではなく、奥さまの名前・生年月日を言ってもらう。

・  検体の容器へは夫婦のフルネーム記載するなどし、採精時にはその名前を確認してもらっている。

 

 

〜クリーンベンチでの作業〜

・  原則1クリーンベンチ1検体にすることが望ましい。

・  作業終了時には、胚や精子が残っていないかを確認する。

・  調整中は、クリーンベンチ外へ検体を出さない事が原則である。

・  大型で2名での作業を基本としたクリーンベンチでは、透明の板で区切り、他の検体と入れ違いが起こらないようにする事が望ましい。

 

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