今回は実際に胚発生する際の過程を取り上げさせていただきます。
<観察条件>
媒精1時間後に、卵丘細胞を機械的に除去したのち観察を行った。
<胚発生過程の観察>
1.精子は約1時間半強をかけて透明帯へ侵入し、すぐに精子は卵細胞の表面へ接着します。
2.精子の頭部が消えた後、第2減数分裂が再度開始された後に第2極体が放出されます。
なお、この第2極体を確認する事で、精子の侵入を判断する事が出来る。
3.精子侵入部位sperm entry pointo(SEP)に一過性卵細胞質隆起fertilization cone (FC)がみられます。
4.SEPから細胞質内顆粒状物質が放射状に現れ雄雌前核が形成接合すると、卵細胞縁に透明領域translucent zone in peripheral ooplasm (Halo)が現れます。
5.その後、前核、Haloの順に消失し、第1卵割が始まります。
6.細胞質内に核膜が形成された後、核の消失をもって第2卵割が始まります。
ここまでに要する時間は平均すると36時間強かかります。
通常の体外受精において、受精の完了を判断する材料は20時間後に2つの極体と前核が確認出来た段階を指します。
気になるのは、顕微授精を行った場合に他の方法と胚発生過程において差異が生じるのか、ということかと思います。
こちらは体外受精、顕微授精ともに差は報告されておりません。
さらに、受精方法だけではなく、胚の質による発生過程を比較すると“形態良好胚good quality embryo (GQE) ”のほうが“形態不良胚poor quality embryo (PQE)”よりも体外受精においては、CQEのほうが速度が早い部分がみられたという報告もあります。
SEPについては、ウニなどの棘皮動物などでは多精子受精の防止のためにFCが出現することがわかっています。
一方、ヒトにおいてもFCの出現が確認されていますが、その意義についてはまだ未解明となっております。
これまでの研究によって、胚発生の過程における体外受精・顕微授精の方法による変化はほとんどみられないことが確認されています。
これらの過程は緻密なプログラムに沿って進められていますが、さらなる研究が待ち望まれます。
しかしながら、体外受精は自由診療になりますので、費用が高額となるケースもあります。
状況によっては保険が適用されるケースもありますので、詳しく調べておきたいところです。
顕微授精を含む体外受精におけるメリット・デメリットについては、詳しく紹介しているサイトがありますので、こちらをご参考ください↓
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