不妊治療基礎知識

遺伝子発現に深く関わるエピジェネティクスとは?

わたしたち人類に限らず、妊娠出産という過程を経ることで古代から現在まであらゆる遺伝情報が伝達されています。
それは間違いなく、いまのわたしたちを形作っている根源であり、ここに全てが集約されていると言っても大袈裟ではありません。

 

しかし、生物がもつ遺伝情報はあまりにも膨大です。従って、その全ての情報が使われるわけではなく、いま活かされているものもあれば使われないまま役目を終えていくものもあります。
このような事象を解明していく研究は活発に行われており、そのようば学問をエピジェネティクスと呼んでいます。

 

エピジェネティクスとは“エピ”がギリシア語で外側、“ジェネティクス”が英語で遺伝子学を意味し、これらが合わさってできた言葉だとされています。つまり、これまでの遺伝子学の外側にあるものに着目していこうという学問なのです。

 

もし、保有している遺伝子が一つ残らず使われるのであれば、一卵性の双子は外見を始め全く同じに育っていくはずです。なぜならば、同様の遺伝子情報を共有しているのですから。
しかし、実際には異なる点も多々見受けられます。

 
ヒストン装飾2
 

そもそも遺伝子、DNAというものはそれ単独では何の意味も持ちません。
まず、遺伝情報をもつDNAがRNAに転写、変換されます。そしてタンパク質合成を担うRNAによって、タンパク質が作られることで初めて意味を持ち、細胞に様々な影響をもたらすのです。

 

ここでエピジェネティクスの考え方が関わっていきます。
DNA、RNA、タンパク質と変化していく過程で、いつどのくらいの量が変換されていくのか?

 

それにはDNAの構造を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
酸性のDNAの形状はらせん状になっており、その周りには多くの塩基性のアミノ酸から構成されているヒストンタンパク質が、しっかりと巻き付いています。

 

そして、ヒストンタンパク質に存在するある特定の部位には化学装飾が施されるのですが、これが遺伝情報の発現時期や量を左右しています。化学装飾は後天的要素、そう例えば生活習慣や食生活、環境汚染など実に様々な要因によってコントロールされています。

 

つまり、わたしたちが環境によって進化を遂げてきたのは、この化学装飾が関与しているといっても過言ではなく、それらによって調節された結果なのです。

 

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