不妊治療基礎知識

GnRHについての基礎知識(1)

不妊治療において、卵子の質はその治療成績の鍵を握る重要なポイントになります。

 

今回は良質な卵子を得るため、排卵をコントロールする薬剤について解説してまいります。

 

 

 

GnRH(ゴナドトロピン放出因子)とは視床下部で作られ、下垂体前葉に存在するゴナドトロピン分泌細胞に作用するホルモンです。

この細胞を刺激することによって、ゴナドトロピン(LH及びFSH)が分泌され、LHサージが起こります。このLHサージにより排卵が誘起されるのです。

 

体外受精を行う場合は、成熟した質の良い卵子を採卵するため、その時期をコントロールする必要があります。

そのため、排卵をコントロールすることができるGnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストが用いられます。

 

*  LHサージ

卵胞が成熟し、十分なエストロゲン量に達すると、LHが下垂体から大量に分泌される現象を指します。

このLHサージが起こると、1-1.5日で排卵が起こります。

 

 

images-185

 

<GnRHアゴニスト>

GnRHと同じ働きをするものをGnRHアゴニストと呼びます。

本来のGnRHよりも強い作用を持ちます。

 

GnRHを投与した当初は、一時的に卵巣からのホルモン量が増加します。

しかし、そのホルモン量を抑えるため、ゴナドトロピン分泌細胞への刺激が低下します。

そのため、ホルモン量が減るのでLHサージは起こらなくなり、排卵を抑えることができます。

 

GnRHアゴニストには点鼻薬や注射薬が存在しますが、どちらも効果の持続時間が比較的短くなっています。

そのため、点鼻薬を用いる場合は1日3回の噴霧が必要など、投薬が煩雑であることがネックとなっていました。

 

 

<GnRHアンタゴニスト>

GnRHアンタゴニストも同様に排卵をコントロールするために用いられますが、GnRHの働きに対して拮抗的に働き、阻害することによってLHサージを抑え、排卵を防ぐ薬剤になります。

 

GnRHは即時的に作用するので、即効性があることが特徴です。また、投与を中止することで、すぐに本来の状態へ戻すことが出来ます。

即効性があり持続時間も長いので、投与する期間も短いことが特徴です。

 

 

開発当初は、多量の投与が必要であるなど使い勝手が良くありませんでしたが、次々と開発が進み、現在では投与期間や量も少なく、卵巣過剰刺激症候群の発生頻度が低くなるなど有用性の高い薬剤となっています。

 

 

WEBはこちら⇒http://mimuro-cl.com/

 

Facebookはこちら⇒https://www.facebook.com/mimurocl

 

 

関連記事

  1. 不妊治療

    最近のART事情(培養部より)

    近年、世界でのARTへの考え方が変わってきました。数年前までは…

  2. 不妊治療基礎知識

    男性不妊についての基礎知識(2)

    今回は男性不妊の場合に、実際行われる検査について解説してまいります。…

  3. 不妊治療基礎知識

    卵巣と卵子についての基礎知識(2)~内分泌(ホルモン)のお話

    女性の内分泌(ホルモン)環境は幼児期→思春期→性成熟期→更年期…

  4. 不妊治療基礎知識

    卵巣と卵子についての基礎知識(6)〜排卵から黄体期まで

    前回は、卵巣の周期的変化のうち排卵直前までご説明しましたが今回…

  5. 不妊治療基礎知識

    着床前診断についての基礎知識(1)

    今回は、受精卵が着床して妊娠が成立する前に染色体や遺伝子の異常がないか…

  6. 不妊治療基礎知識

    ARTについての基礎知識(2)〜精子の受精能についてのお話

    前回は精子が運動能を獲得するまでについてお伝えしましたが、今回は、実際…

  1. 不妊治療基礎知識

    ARTと多胎の関係について
  2. 不妊治療基礎知識

    異常妊娠についての基礎知識(2)
  3. 不妊治療

    二人目不妊についてのお話
  4. 不妊治療基礎知識

    男性不妊についての基礎知識(3)
  5. 不妊治療

    高齢妊娠のリスクについてのお話
PAGE TOP