不妊治療基礎知識

GnRHについての基礎知識(1)

不妊治療において、卵子の質はその治療成績の鍵を握る重要なポイントになります。

 

今回は良質な卵子を得るため、排卵をコントロールする薬剤について解説してまいります。

 

 

 

GnRH(ゴナドトロピン放出因子)とは視床下部で作られ、下垂体前葉に存在するゴナドトロピン分泌細胞に作用するホルモンです。

この細胞を刺激することによって、ゴナドトロピン(LH及びFSH)が分泌され、LHサージが起こります。このLHサージにより排卵が誘起されるのです。

 

体外受精を行う場合は、成熟した質の良い卵子を採卵するため、その時期をコントロールする必要があります。

そのため、排卵をコントロールすることができるGnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストが用いられます。

 

*  LHサージ

卵胞が成熟し、十分なエストロゲン量に達すると、LHが下垂体から大量に分泌される現象を指します。

このLHサージが起こると、1-1.5日で排卵が起こります。

 

 

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<GnRHアゴニスト>

GnRHと同じ働きをするものをGnRHアゴニストと呼びます。

本来のGnRHよりも強い作用を持ちます。

 

GnRHを投与した当初は、一時的に卵巣からのホルモン量が増加します。

しかし、そのホルモン量を抑えるため、ゴナドトロピン分泌細胞への刺激が低下します。

そのため、ホルモン量が減るのでLHサージは起こらなくなり、排卵を抑えることができます。

 

GnRHアゴニストには点鼻薬や注射薬が存在しますが、どちらも効果の持続時間が比較的短くなっています。

そのため、点鼻薬を用いる場合は1日3回の噴霧が必要など、投薬が煩雑であることがネックとなっていました。

 

 

<GnRHアンタゴニスト>

GnRHアンタゴニストも同様に排卵をコントロールするために用いられますが、GnRHの働きに対して拮抗的に働き、阻害することによってLHサージを抑え、排卵を防ぐ薬剤になります。

 

GnRHは即時的に作用するので、即効性があることが特徴です。また、投与を中止することで、すぐに本来の状態へ戻すことが出来ます。

即効性があり持続時間も長いので、投与する期間も短いことが特徴です。

 

 

開発当初は、多量の投与が必要であるなど使い勝手が良くありませんでしたが、次々と開発が進み、現在では投与期間や量も少なく、卵巣過剰刺激症候群の発生頻度が低くなるなど有用性の高い薬剤となっています。

 

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