不妊治療基礎知識

着床前診断についての基礎知識(1)

今回は、受精卵が着床して妊娠が成立する前に染色体や遺伝子の異常がないか調べる方法、所謂“着床前診断”について解説していまいります。

 

着床前診断は大きく、次の2つに分けることができます。

 

●着床前遺伝子診断preimplantation genetic diagnosis(PGD)

〜遺伝子疾患の有無を診断します

 

●着床前スクリーニングpreimplantation genetic screening(PGS)

〜染色体異常や性別について検査をいます

 

 

羊水検査などで知られている出生前診断との違いは、妊娠成立前に検査する点にあります。

そのため、検査結果を受けて中絶の判断に悩むことがなく、羊水検査のように流産の危険性もないことがメリットです。

 

 

*  出生前診断

妊娠成立後の胎児の異常を調べる検査であり、よく知られている羊水検査がこれに含まれます。

 

羊水検査とは、妊娠15週頃に羊水に針を刺して吸引し、その細胞を調べる方法です。

 

 

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<着床前診断を行うケース>

 

日本産婦人科学会では、次のような場合に実施することができるとしています。

 

・夫婦いずれかに重篤な遺伝性疾患があり、それに起因する遺伝性疾児を出産する可能性のある場合

 

・遺伝性疾患のみならず、均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣性流産の場合

 

上記に当てはまる場合は申請して許可を得る必要がありますが、これ以外の場合でも、日本産婦人科学会承認のない医療機関で実施することもできます。

 

 

どのような場合でも、着床前診断に関わる者は知識や技術のみならず、高い倫理性も持ち合わせていることが求められます。

 

 

 

<着床前診断にかかる費用>

 

着床前診断は、妊娠成立前の受精卵を検査する方法ですので、体外受精することが前提になります。

その費用は病院によっても異なりますが、一般的におよそ50-80万円ほどであり、高い場合は100万円にまでのぼります。

 

また、国内で実施できない場合は海外へ渡航して行うケースもあり、その場合は費用がさらに高額となります。

 

 

 

 

着床前診断の歴史は比較的浅く、1990年にイギリスにおいて最初に実施されました。

これまで多くの国で実施されており、年々その対象例は増加の一途をたどっています。

検査後の発育について大きな問題点は報告されていませんが、継続して調査していくことが必要です。

 

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