不妊治療基礎知識

着床前診断についての基礎知識(2)

今回は、着床前診断を実施する際の手順について解説してまいります。

 

 

一般的に、診断を行う際の手順は次のような流れになります。

 

1. 排卵誘発剤で複数の卵胞を育て、体外受精を行い培養します。

受精卵が4-8細胞期胚になったとき、周りを囲む透明帯を切開し、

そこから細胞吸引法または圧出法にて1-2個の割球を採取します。

残りの胚は、培養を続けます。

 

切開の方法は、次の3通りあります。

 ①マイクロピペットにより、物理的に切開する方法

 ②タイロード液と呼ばれる、電解質溶液を用いて開孔させる方法

 ③レーザーで切開する方法

 

割球をこの時期に採取する理由として、2細胞期胚では胚自体の生存性に支障をきたし、16細胞期胚では技術的に困難であることがあげられます。

 

2. 採取した胚について、遺伝子や染色体の検査を実施します。

 

3. 胚盤胞まで成長させた後、採取した胚を子宮内へ移植します。

 

4. 妊娠成立後、遺伝子及び染色体の検査を行う場合があり、その際は絨毛検査や羊水検査などを実施します。

 

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<遺伝子検査の方法>

 

採取した割球を調べる方法として次のものがあり、目的によって使い分けられています。

 

● polymerase chain reaction (PCR)法

主に遺伝子による疾患を診断する場合に実施されます。

DNAの熱変性を利用し、数十万倍にも増幅させて解析を行う方法です。

 

非常に高感度であるため、コンタミネーションには最新の注意を払う必要があります。

 

● fluorescence in situ hybridization (FISH)法

染色体に含まれる特定の部位を検査する目的で実施され、染色体の数的異常や大きな構造の異常を検出することが出来ます。

 

目的とするDNAと相補的なプローブ(特定のDNA配列のみ結合するDNAの断片)を特殊な蛍光色素で染色した後、蛍光顕微鏡で観察する方法です。

 

● comparative genomic hybridization(CGH)

新しい技術であり、受精卵すべての染色体の数的異常を診断することが可能です。

DNAを増幅させて着色し、別の色で着色した正常なDNAとともに分析器具であるDNAチップにかけます。

異常がなければ色素が等量であるため中間色となりますが、染色体の数の違いなどがある場合には、色の変化がみられます。

 

 

いずれの方法も、その安全性は体外受精度と同程度とされていますが、高い技術と倫理性が求められます。

 

 

 

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