不妊治療基礎知識

着床についての基礎知識(2)

今回も前回に引き続き、着床に焦点を当てて解説してまいります。

 

精子と卵子が受精し、無事、子宮内に着床するためにはそのタイミングが非常に重要だとお伝えしましたが、子宮内の環境も大切なポイントとなります。

 

 

では、一体どのような環境下で着床が行われているのでしょうか?

そちらをご説明する前に、まずは子宮の構造を再確認していきましょう。

 

<子宮の構造>

子宮は、そのおよそ1/3を占め子宮の入り口となる“子宮頸部”と、その他の2/3を占め、子宮頸部の上に位置する“子宮体部”から構成されています。

このうち、胚は子宮体部の組織に着床し、成長していくことになります。

 

 

また、子宮体部には内側にある膜の子宮内膜、子宮内膜で囲まれた空間である子宮腔、卵巣などが存在します。

このうち、胚が着床する場所は子宮内膜になりますが、これは一層の組織で構成されているわけではありません。

子宮内膜は大きく2つの層から構成され、子宮腔側を機能層、そしてその下に位置する部分は基底層と呼ばれています。

 

機能層は細胞や細胞外マトリックスが粗である一方、基底層では密な組織となっていることも特徴です。

 

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子宮内膜は月経から排卵、そして次の月経まで次のように変化していきます。

 

月経から増殖期(卵胞期)まで

 

胚が着床しなかった場合は、プロゲステロン分泌量が減少し、子宮内膜が剥がれて月経となります。

このとき、全てが剥離するのではなく、基底層と機能層の境界から自然に、基底層のみが剥がれます。

月経後は、エストロゲンの影響により子宮内膜は厚くなり、徐々に卵胞も育ち始めます。

このときも同様に、子宮内膜全体が厚くなるわけではなく、あくまで機能層のみが厚くなります。

 

 

排卵から分泌期(黄体期)まで

 

エストロゲン分泌量のピークから、その分泌はプロゲステロンへと入れ替わり、排卵が起こります。

そして、子宮内膜は胚が着床するため、適した状態へと整えられます。

 

 

 

実際に胚が接するのは、子宮内膜の表皮に位置する被覆上皮になりますが、どこに着床しても問題ないというわけではありません。

 

通常、胚は上部に着床するのですが、それ以外の場所に着床してしまうこともあります。

子宮の下部へ着床した場合は前置胎盤となり、出産時までに改善しない場合は帝王切開を行うことになります。

また、卵管の途中で胚が着床すると子宮外妊娠となり、こちらは妊娠を継続する事が難しくなってしまいます。

 

 

着床がスムーズにいかない場合、つまり正常な着床が行われず、何らかの問題がある場合は“着床障害”と呼ばれ、不妊の大きな原因のひとつとなっています。

 

 

 

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