不妊治療基礎知識

着床についての基礎知識(3)

今回は、着床の過程についてもう少し詳しく解説してまいります。

 

 

着床には実に様々な因子が関わっていますが、その過程は大きく対位期、接着・固定期、侵入期の3つに分けることができます。

 

 

<対位期 〜apposition phase〜>

子宮内へ辿り着いた胚は胚盤胞となり、子宮腔内を浮遊することになります。

このとき、胚盤胞はムチンに乗って移動し、子宮腔上皮細胞の適した着床部位まで運ばれ、到達します。

 

 

 

<接着・固定期 〜attachment/adhesion phase〜>

着床部位に到達した胚盤胞は接着することになりますが、これには様々な因子が関与して成り立っています。

 

そのメカニズムは複雑でまだわかっていない部分も多くありますが、いくつか接着に関わっているとされる因子をご紹介します。

 

●ムチン

子宮内膜上皮に多く存在する糖タンパク質の一種です。中でも、MUC-1は接着において重要な役割を果たしています。

 

●インテグリン

細胞の表面に存在するタンパク質で、細胞外マトリックスと細胞の中を結合する接着分子です。

胚盤胞が接着する際、受精卵と子宮内膜それぞれに存在するインテグリンが情報伝達を行うことで、着床がスムーズに進みます。

 

この他、フィブロネクチンやラミニン、コラーゲンなどの細胞外マトリックスは着床前に増加することがわかっています。また、サイトカインは胚の発育促進に貢献するだけでなく、接着や浸潤に対しても促進的な役割を担っています。

 

 

 

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<浸潤 〜invasion phase〜>

胚盤胞は種々の接着因子を介して、子宮内膜上皮の間質へと浸潤し固着します。

このとき、トロホブラストは浸潤及び組織構造の再構築を促すことで、着床の成功において重要な働きをします。

 

 

*  トロホブラスト

トロホブラストは、受精卵が分割し子宮に到達する過程で分化したトロホブラスト芽層から発生します。

絨毛性、絨毛外性の異なる経路に分かれて分化していきますが、絨毛性トロホブラストは子宮内膜表皮の間に急速に伸展していき、母児間の酸素や栄養の運搬に関与するようになります。

 

一方、絨毛外性トロホブラストは子宮内膜上皮に深く侵入して血管や間質に接するトロホブラストとして胎盤床を形成します。

 

 

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