不妊治療基礎知識

胚または配偶子移植についての基礎知識(1)

ARTにおいて胚移植(ET)とは、妊娠を左右する重要な位置を占めます。
手技のレベル差も顕著に現れるので、熟練した腕が必要とされる工程とも言えるでしょう。

 

今回は、実際のET、特に子宮頸管からカテーテルを挿入して移植を行う経頸管的移植について詳しく解説してまいります。

 
ET
 

<ETを行う前にすべきこと>

 

・子宮の形状を確認する
ETを行う前周期に、前屈や後屈といった子宮の形状や長さを確認しておきます。
また、カテーテルを挿入時に曲がる場所や方向についても事前に確認しておくことで、実際の施術時に余裕を持って望むことができます。

 

・子宮頸管の細胞培養
頸管内の細菌培養を行い、陽性の場合は予め抗生物質による治療を行います。
これは、カテーテルの先端に細菌が付着することを防ぎ、優位に妊娠率を向上させる効果があります。

 

・使用するカテーテルの決定
特段の問題がなければ、柔らかくソフトなシリコンカテーテルを使用します。
このカテーテルは柔らかいため、肝心な子宮内膜を傷つけることなくETを行うことができます。

 
 

しかし、子宮の形状によっては大きな屈折がみられる場合があります。
このようなケースに対してシリコンカテーテルを使用すると、カテーテルが折れ曲がってそれ以上、先へ進めることが難しくなります。
そのため、スタイレットを使用した上で、外筒のついているカテーテルを使用することになります。

 

なお、シリコンカテーテルよりも子宮内膜を傷つけやすいので、出血しないよう十分注意して行います。

 

・頸管粘液を取り除いておく
膣内を生理食塩水や蒸留水で洗浄しておきます。
このとき、頸管粘液が残っていると、カテーテルから胚が上手く出られないなど支障をきたします。

 

洗浄のために傷をつけてしまっては元も子もないですが、慎重にかつ丁寧に洗浄しておくことが大切です。

 

 

<胚移植の流れ>

 

1.膣内を十分に洗浄します。このとき、膀胱は尿で満たされている状態がベストです。
2.経腹超音波モニター下で、胚が入っていないカテーテルを挿入し、通過状態などを確認します。
3.次に、必要最小限の培養液とともに胚を吸いこんだカテーテルを子宮腔内に挿入し、胚移植を行います。
実際に胚を移植する場所は、子宮底から1cm程度手前のところが適しています。
4.施術後は、30分〜1時間ほど安静にした後、帰路につきます。
 
 

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