不妊治療基礎知識

IVMについてのお話

通常のARTでは、成熟した卵子を用いて治療を行います。しかし、未成熟な卵子しか得られなかった場合は体外成熟培養(IVM:In Vitro Maturation)を行い、成熟した卵子へと導いた上で次のステップへ進んでいきます。

 

IVMの歴史は比較的浅く、1991年にChaらが摘出した卵巣を用いて妊娠出産まで成功に導いたのを皮切りに、1994年にはTrounsonらが多嚢胞性卵巣症候群の患者から取り出した未成熟卵を用いて妊娠に成功しています。

 
 

●適応

 

多嚢胞性卵巣症候群のうち、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を避けたい場合や排卵誘発剤を用いても未成熟の卵子が多数存在する場合は、IVMの適応となります。

 
 

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●方法

 

1.通常よりも早く、月経開始7日目から超音波による卵胞のチェックを開始します。
2.直径7mmの卵胞が2個以上確認できた後に、採卵します。
(通常は20mm程度)
3.採卵後は、IVM専用の培養液で1〜2日間培養します。
4.IVMでは排卵過程を経ていないため、ホルモンの不足分を外因性エストロゲン及びプロゲステロンにて補充していきます。
5.成熟した卵子は凍結保存し、次回以降の月経周期にて用います。

 
 

IVMでの採卵は未成熟が故に困難を伴い、その採卵率は5割程度です。通常の採卵時は95%以上であることと比較しても、格段に低い採卵率であることは否めません。
また、全ての卵子が成熟するわけではなく、稀に成熟しない卵子も存在します。

 

さらに、IVMを行った場合は卵子の成熟度合いを確認するため、顆粒膜細胞を剥がす必要があるので顕微受精が前提となります。
併せて、卵子の成熟度合いなどに応じて移植の周期を遅らせることもありますので、予め精子を凍結保存しておくという事前準備も必要になってきます。

 
 

これらのデメリットを加味してもIVMは、精神的・肉体的苦痛の軽減およびトータルコスト削減に貢献できるため非常に評価が高く、今後が期待される手法になります。

 
 

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