今回は、男性側からみた不妊治療について解説してまいります。
一般的に不妊治療の門を叩くとき、そのほとんどは女性側からの受診が入り口となっています。しかし、詳しく検査を進めていくと必ずしも女性側に問題があるとはいえず、実は男性側に不妊の原因があることも多いのです。さらに、男性側の不妊事由については治療法が確立されていない疾患も存在するため、結果的に男性側に問題が残されたままになることも少なくありません。
誰しも、不妊の原因が自分にあることを告げられた際のショックは大きいものです。男性の場合は女性と比べて精神的ストレスがより大きいため、心理的のケアもより手厚くする必要があります。
男性不妊に至る背景には精巣や精子だけではなく、EDなど性交渉に関わる問題も存在しています。その数多い原因の中でも、造精機能障害が多くの割合を占めています。造精機能障害になってしまうと、精子をつくる機能がうまく働かず、結果的に精子がつくられずに乏精子症や無精子症、精子無力症などを引き起こしてしまいます。
* 乏精子症:精液中に精子の数が極端に少ない状態
* 無精子症:精液中に精子が存在しない状態
* 精子無力症:精子の運動率が低い状態
精子がつくられない原因は、遺伝要素や後天的に発生した要因が考えられますが原因不明のことも多くあります。その場合には根本的な治療を施すことができません。
しかし、精子がつくられない状態にあっても、近年では技術も発展しており、睾丸内に精子が存在していればARTによって妊娠へと導くことも可能です。さらに、男性の性染色体に異常がみられるクラインフェルター症候群の場合であっても、精子をみつけることができれば妊娠への可能性が開けるようになりました。
男性不妊だけに限らず、実際にARTを行う前には精子機能の検査および評価をします。
しかし、精液内に含まれる精子の運動機能やその質にはバラツキが大きい上、射精時に数億いる精子の中にDNAを損傷しているものも存在します。特に不妊である場合には、その割合も高くなるため、慎重に多角的な角度から検査の行い精子を適切に評価することが非常に重要です。
先述したように、これまで妊娠に至ることができなかった事例においても、技術の進歩によって妊娠が可能になりました。
しかしながら、精子の状態は生活習慣やストレスなどに質や量が依存することがわかっています。性別に関わらず、妊娠成立には日々の体調管理に気をつけて健康を維持することも重要な鍵を握ります。
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