今回は男性不妊の場合に、実際行われる検査について解説してまいります。
精子に関わる検査は精液検査と呼ばれ、女性に対して実施される検査と比較すると苦痛をほとんど伴いません。
その方法は至ってシンプルであり、下記のような手順で行います。
<方法>
2-7日の禁欲期間をおき、マスターベーションで精液を採取します。
病院で採取することが難しければ、自宅で採取した後に20-30℃にあたためながから1-2時間以内に病院へ持参します。
<主な検査項目>
・ 精子濃度
・ 運動数
・ 白血球数
・ 感染の有無
・ 精子奇形率
このような手順で行われた精液所見で異常がみられた場合、触診や血液検査などのより詳細な検査へと進みます。
その代表的な検査方法には、下記のようなものがあります。
● アクロビーズテスト
《検査方法》
この方法は、モノクローナル抗体が結合した特殊なビーズを使用します。ビーズは、先体反応を起こした精子に特異的に反応するという特長をもっています。
ビーズを精子と共に一定時間培養すると、ビーズと結合した精子は運動性をもつため、徐々にビーズ同士が集まってきます。
この様子を観察し、結合が良好であれば精子の受精能力が高いと判断します。
● 精子膨化試験
《検査方法》
精子を低浸透圧の液につけることで、精子の尻尾の部分にみられる膨化の程度を観察します。
試験後に精子尾部が膨化しているものほど細胞膜が正常で、精子機能が良好とされています。
この方法は、簡単かつ短時間で測定できることが特長です。
● 精子生存試験
《検査方法》
スイムアップさせた精子を24時間以上、培養器にて培養します。
その後、培養した精子の運動率を観察します。
36時間経って80%生存していれば、妊娠可能とされています。
精液所見は精液の採取の方法や、そのときの体調などにも左右されるので通常は2-3回検査を試み、総合的に診断することになります。
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