不妊治療基礎知識

男性不妊についての基礎知識(5)

今回も、引き続き精子の回収について解説してまいります。

 

前回は、精巣上体から精子を取り出すMESAとPESAをご紹介したのですが、そこから精子が回収できる症例ばかりではありません。
前述の方法で精子を取り出すことが困難な場合には、精巣から直接精子を回収するTESEが有効であり、これは現在の主流となっています。

 

TESEには2つの方法があります。

 

そのうち一つはConventional TESEと呼ばれ、閉塞性無精子症や勃起障害のように造精機能があり、精巣に精子が存在する場合に選択されます。一方、非閉塞性無精子症のように造精機能が低下し、精巣内の限られた場所にしか精子が存在しない場合ではMD-TESEという術式が使われます。

 

いずれも、精巣自体を切開することになりますので、MESAやPESAよりも術後の痛みが続くことがあります。

 

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● Conventional TESE(精巣内精子回収術)

5mm〜1cmほど陰嚢を切開した後、精巣の殻である白膜下を切ってごく少量の精巣組織を採取します。採取された精巣組織を顕微鏡で観察し、精子の存在を確認します。精子がみつからない場合は、違う場所も切開することになります。精子がみつかれば、縫合して終わりです。

日帰りが可能な術式ですが、術後の精巣萎縮や血中テストステロン値の低下などを招く場合があります。

 
 

● microdissection TESE(MD-TESE:顕微鏡下精巣内精子回収術)

 

1998年に初めて報告された術式で、すべての症例に適応しています。特に、精巣上体に精子がみつからず、非閉塞性無精子症に対しては有効な手段です。

 

全身麻酔をした後に陰嚢を切開してから精巣を外に出し、精巣白膜を切開して顕微鏡で精細管を観察します。実際に精子が作られている可能性が高い精細管は、太く白濁しているなど特徴的な部分を持ち合わせているので、それらを判断材料としながら精子の存在する精細管を探していきます。

この方法は、Conventional TESEと比較して精子を探す精度が高まり、採取する組織が少なくて済むので精巣へのダメージも少ない理想的な方法です。さらに、従来法より精子がみつかる確率が高いため、近年では広く採用されています。

 
 

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