性に関わることは相談しにくく、誰かと比べる機会も少ないものです。最近では、月経や男女の性の概要などについては学生時代を含めて耳にすることはあるかもしれませんが、女性特有の「おりもの」は話題にものぼりにくいのではないでしょうか。
やはり、おりものの正体や変化について、知識がなければ異常には気づくことはできません。
今回は、そんな気になるけど人には聞きにくい「おりもの」についてお話していこうと思います。
●おりものとは?
おりものとは、子宮頸管から分泌されている粘液のことを指し、膣からの分泌液や古い細胞なども含まれています。
通常は白または透明で、粘り気があるのが特徴です。量は個人差が大きいので、ショーツの汚れが気になる人は、おりもの専用のシートを使っているという場合も多いかもしれませんね。
●おりものの役割について
一見、やっかいに思えるおりものですが、分泌されるのには理由があります。
ひとつめの役割は、膣の自浄作用です。
膣内は子宮や卵巣につながる非常に大切な部分である一方、外部ともつながっています。故に、雑菌なども入りやすいのですが、その侵入や増殖を抑える役割をはたしているのが、おりものです。
おりもののおかげで、膣の中は弱酸性に保たれ、デーテルライン桿菌が雑菌の増殖を防いでくれているのです。
そして、おりものは受精を助ける役割も担っています。
射精された精子は膣内を通り体内へ侵入するわけですが、膣内が酸性に傾いているために精子にとっては厳しい環境となっています。しかし、おりものがあることで精子は守られながら、スムーズに移動することができるのです。
●おりものの変化
おりものの分泌量は常に一定ではなく、月経周期によって変化します。
卵胞が育って成熟し排卵が近づいてくると、卵胞からエストラジオールが分泌されて子宮内膜を肥厚させるなどの準備が始まります。
エストラジールにはおりものを増やす働きがあるので、排卵期はその量が多くなるのです。
また、おりものは女性ホルモンの影響を受けるので、ホルモンの分泌量が低下し始める40代頃から減少し始めます。
おりものの変化は、体からのサインです。
いつもは白っぽいのに、黄緑やポロポロとしているといったときには、カンジダやその他の感染症にかかっていることも。放っておくと、かゆみや炎症などの症状が出てきたり、不妊の原因になることがありますので、これくらいなら大丈夫だろうと思わずに、気になったら早めに受診するようにしましょう。