不妊治療基礎知識

卵巣刺激についての基礎知識(1)

今回は、ARTには欠かせない卵巣刺激について、詳しく解説してまいります。
卵巣刺激とは、排卵誘発剤を用いて卵巣にある卵胞を刺激して発育を促し、卵子を採取することを指します。
この場合は通常、複数の卵子を育てて採卵することになります。

 

自然周期であれば毎月、卵子が1個排卵しますが、この卵子が必ずしも十分に成熟した状態であるとは限りません。
また、採卵や体外での培養などに耐えうるかどうかはわからないため、妊娠・受精率を上げるためには良質な胚を用意する必要があります。

 

このような理由から、通常の体外受精では排卵誘発剤で複数の成熟した卵子を採卵し、良質な胚を使って進めていきます。
排卵誘発剤で卵巣刺激を行うことで、得られるメリットには次のようなものもあります。

 

・ 排卵時期をコントロールできるため、確実に採卵できるようになる
・ 十分に卵子が成熟するため、排卵後も黄体機能が維持されて着床しやすい状態となる

 

採卵自体は手術になるため侵襲性が高いのですが、回数を減らすことで少しでも身体の負担を軽くすることができます。

 

そして、良質な胚が複数個ある場合は凍結保存して次に生かせるので有効に使うこともできます。
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卵巣刺激だけに限ったことではありませんが、年齢を重ねるにつれて卵巣の機能は低下していきます。
大きなラインは38歳を境に引くことができますが、人によっては30代後半から機能低下がみられることがあります。

 

このため、事前に血中エストラジオール値やFSH基礎値など各種検査をして傾向を探ることになりますが、確実に予測することは難しいのが現状です。
卵巣刺激には、用いる排卵誘発剤やその投与の違いにより、いくつかの方法が知られています。

 

それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるので次回以降、詳しく解説してまいります。

 

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