不妊治療基礎知識

卵巣刺激についての基礎知識(3)

前回は、卵巣刺激法の中でもGnRHアゴニスト法についてお話ししましたが、今回はそれ以外の方法を取り上げてみたいと思います。

 
 

* アンタゴニスト法

 

GnRHアンタゴニスト製剤の注射剤を用いる方法で、卵巣機能が極端に低下している場合を除いて多くのケースで用いられる方法です。
年齢に縛られず、OHSSになりやすい方も適応となります。

 

GnRHアゴニスト製剤と比較して効き目が早くあらわれるので、使用する期間が短くなることが特徴です。

 

1.月経開始3日目頃よりhMG製剤の注射を開始して卵胞を育てます。
 なお、この製剤はhCG製剤の投与まで続けます。
2.卵胞の直径が14mm以上になったところでGnRHアンタゴニスト製剤を併用して投与していきます。
3.ロング法、ショート法と同様にhCG製剤を投与してから36時間後に採卵します。

 

メリット
・FSHやLHが抑制されないので、卵胞が発育しやすい
・OHSSを起こしにくい
・点鼻薬のように、頻回投与しなくて済む
・質の良い採卵ができる

 

デメリット
・卵胞の発育にブレーキがかかってしまうことがある
・製剤が高額であるため、コストが高くなる場合がある

 
 

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その他、主として注射剤を使わない低卵巣刺激法や自然周期法が選択されることがあります。
これらは身体的・経済的負担が少ないので、ほとんどの方に適応することができます。

 

しかし、1回の採卵で得られる卵子は少なく、自然周期法では基本的に月に1個となります。そのため、凍結胚が得られない場合もあります。

 
 

*低卵巣刺激法
35歳以下で、卵巣機能が良い場合やOHSSになりやすい場合に選択されます。
方法としては、クロミフェンやレトロゾールなど内服の排卵誘発剤を5日ほど投与した後に、最低限の排卵誘発剤の注射を行います。

 
 

*自然周期法
基本的に薬を使用せずに、頻回来院によって卵胞の状態をみながら採卵する方法です。
採卵できる卵子は1個ですが、身体的負担や薬剤費が非常に低い方法です。

 
 

いずれの方法においても、年齢や生理周期、これまでの経緯などを勘案して個々人の治療方法を決定していきます。

 

そのため、常に超音波検査やホルモン採血を行って卵巣予備能を評価することが妊娠への鍵を握ります。

 
 

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