前回は卵巣から分泌されるホルモンについて解説をしましたが、今回はそれらが及ぼす卵巣の周期的変化について解説をしてまいります。
卵巣で起こる周期的変化は卵巣周期と呼ばれ、排卵を境にして卵胞期と黄体期に分けられ、それぞれ約14日間続きます。
このうち卵胞期とは卵胞周期の1〜14日までの時期を指し、月経開始日を1日目として始まります。
この期間に起きる主要な現象は、卵巣にある卵胞の発達です。
【卵胞の発達】
●排卵に向けて原始卵胞の発育が始まり、1層であった卵胞細胞は数層へと変化し、顆粒膜細胞が出現します。
これは1次細胞とも呼ばれ、大きさは0.1〜0.3mmです。
1次細胞への発育にFSHは関係せず、自発的に発育します。
また、自発的に発育するので卵巣には各段階の卵胞が存在し、原始卵胞から1次卵胞へ発育には150日程度の時間を要します。
●1次卵胞の顆粒膜細胞層はさらに厚くなり、2次卵胞へと成長します。
2次卵胞は、卵胞腔の有無により前胞状卵胞と胞状卵胞に分類されます。
2次卵胞は約85日程度かけて排卵に至り、0.2〜0.4mmの大きさだったものが成熟して、排卵直前になると直径は20mmへと成長します。(Graaf卵胞と呼ばれる)
* 原始卵胞:生まれたときは卵巣の中に約200万個ありますが、閉経前までに原始細胞からつくられる成熟卵胞の数は約400個です。
その理由として、下記の特徴があげられます。
・ 数を増やすことができない(体細胞分裂を起こす事がない)
・ 月経に関係なく、毎周期1000個ほどが減少していく
・ 体細胞分裂により新しくなる事ができず、 年齢と共に老化する
卵巣から卵が消失していく過程には正常な排卵による場合と、閉鎖卵胞となって変性、淘汰される場合の2つがあります。
*閉鎖卵胞:月経周期の6日頃には、片方の卵巣の1個の卵胞のみが急速に成熟し始め、他の卵胞が退化していきます。
この排卵に至らずに退化していく卵胞を閉鎖卵胞といいます。
閉鎖卵胞の発生は卵胞発育のすべての時期に起こりますが、発育段階によってその変性のメカニズムは異なっています。
みむろウィメンズクリニック
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