前回は、卵巣の周期的変化のうち排卵直前までご説明しましたが
今回は排卵後の子宮の変化について解説をしてまいります。
【排卵】
通常、卵胞周期の14日目以降に起こりますが、この時期はエストロゲンが増え排卵期の直前にはLHの急激な分泌が起こります。(LHサージ)
また、Graff細胞が破れ卵胞が急速に増大し、卵胞壁が破裂して卵細胞が腹腔内に放出されます。
これを、排卵といいます。
排卵後、卵細胞は卵管内膜の縦毛運動により子宮内へ運ばれ、ここまでを「排卵期」といいます。
【黄体期】
その後に迎える「黄体期」は排卵後から28日までを指します。
排卵後に空になった卵細胞は血液で満たされて、さらに毛細血管が伸び、顆粒膜細胞と莢膜細胞の細胞質が肥大化して、排卵後24〜96時間で黄体が形成されます。
このとき、受精して着床した場合は妊娠黄体とよばれ、分泌までプロゲステロンを分泌し続けます。
このときのプロゲストロンの役割は、次の通りです。
・ 子宮内膜を厚くして胎児のために適した環境を与える
・ 子宮頸部の粘膜を濃くし、精子や細菌が子宮に侵入するのを防ぐ
しかしながら、受精が起きたときに備えて子宮の準備を整えるのが黄体の役割ですので、受精しなければ黄体の機能は次第に衰えて黄体ホルモンの量も少なくなり、消失します。
* 顆粒膜細胞、莢膜細胞ともに卵胞を構成している細胞で、ホルモンを放出しており、各々顆粒膜細胞からはエストロゲン、莢膜細胞からはプロゲステロンが産生されます。
* 黄体の寿命は約2週間ですので、月経周期が長い方は卵胞期が短いことになります。
また、黄体期が10日間以内の場合は、黄体機能不全と呼びます。
- 黄体機能不全の原因
・ 黄体形成前の卵胞発育不全
・ FSHの分泌低下
・ LHの分泌低下
・ 子宮内膜の感受性の低下
黄体機能不全が起こると、子宮内膜の形成も不十分になり受精卵が着床しにくく、結果的に妊娠しにくくなります。
みむろウィメンズクリニック
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