今回は採卵をテーマに、概要やその方法について解説してまいります。
丁寧に成熟させた卵を用いて妊娠へと導くためには、採卵という過程も重要な鍵を握ります。
成熟した良質な卵をより良い状態で取り出すため、不妊治療の現場では日夜努力しているのです。
現在では経膣から専用の針を用いて実施されている採卵ですが、始まった当初は開腹下にて行われていました。
ですが、この方法は非常に侵襲性が高く、身体に大きな負担もかかってしまいます。
そこで、さらに負担を軽減させて採卵の成功率を向上させるため、現在の方法へと技術が進歩しました。
<採卵の方法>
採卵前にはGnRHアゴニスト製剤を用いたロング法などで卵胞を成熟させ、大きさが18mm以上になったところで次のステップへ進みます。
しかし、場合によっては採卵直前に排卵してしまうこともあるので、そのときは別の方法に切り替えることもあります。
〜 採卵の流れ 〜
* 採卵前日まで
1.採卵36時間前にhCG製剤を注射して、排卵を促しておく。
2.採卵の1週間前より感染予防のため抗生物質の服用を開始する。
このとき、既往歴やアレルギーの有無なども確認しておく。
3.採卵前夜から絶食する。
* 採卵当日
1.当日の朝に採血し、ホルモン値を最終確認する。
2.排尿をし、術衣に着替えておく。
3.膣を洗浄したのち、麻酔をかける。
4.経膣超音波プローブを膣内に挿入して卵胞を穿刺し、卵胞から数mlの卵胞液を吸引する。
このとき、膣壁からの出血や感染を防ぐため最低限、穿刺する。
5.採卵後は膣腔内や卵巣内の出血を観察し、必要であれば止血する。
6.出血がなく、バイタルが安定していることを確認後に帰宅する。
7.帰宅後は、夕方以降に病院から連絡を取り体調の確認などを行う。
上記の方法で行う採卵は10分ほどで、通常は麻酔をかけて行います。
麻酔を用いるので痛みをほとんど感じず、場合によっては眠っている間に採卵を終えることができます。
また、採卵後は2時間ほどで自宅へ帰ることができます。
しかし、採卵当日は体調が不安定になることもあるので出来るだけパートナーと一緒に帰宅し、お仕事されている方はお休みされることをお勧めします。
また、当日は性交渉や入浴も避けていただくことになるので注意が必要です。
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