男性不妊

精子機能検査についてのお話

男性側の不妊事由を調べる方法として以前、精液検査についてご紹介しました。
その内容は、こちらをご覧ください。
→ 男性不妊についての基礎知識(2)

 

精液検査の主な検査項目は、精子濃度や運動率、精子奇形率など精子の外見に関する特徴が中心になります。
では、実際にこれらの検査項目が一定のラインを超えていれば受精能力があるかといえば、必ずしもそうとは言えません。例え、精液中の精子濃度が低かったとしても、良質な精子が存在していれば妊娠に至ることは可能です。

 

近年では、精液検査よりももっと踏み込んだ精子の受精能力を調べる検査方法として、精子機能検査の存在が知られています。
別名、MOAT(Mouse Oocyte Activation Test)とも呼ばれるこの検査は、具体的にどのような検査方法なのでしょうか。

 
Brain Aging
 

精子機能検査では、実際に採取したヒトの精子とマウスの卵子を用いて顕微授精を行います。通常、精子と卵子が受精した場合、前角が形成されたのち数時間後に第2極体が放出されますので、精子機能検査においてもこれをもって受精完了となります。
複数個の卵子に対して実施することで、卵活性化率をみて精子の能力をはかっていくのです。

 

精子機能検査を実施している獨協医科大越谷病院の岡田教授の研究によると、男不妊外来を受診した男性を対象に検査を行った場合、35歳を境に精子機能が低下していく傾向がみられました。
つまり、女性の卵子老化と同様の現象が、精子についても見られるということです。
ちなみに、ヒトの精子とマウスの卵子が受精するというと、抵抗感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、胚の発生は受精を確認した時点から細胞分裂を繰り返して発育することはありません。あくまで、検査のひとつの方法になります。

 
 

近年では、高齢の男性との間に子供を授かるケースも見受けられますが、全てにおいてそうなるとは限りません。むしろ、高齢で受精能力を持ち合わせている方が稀なケースであることを理解しておきましょう。

 
 

<参考サイト>
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/140424/wst1404240063-n1.html

 
 

WEBはこちら⇒http://mimuro-cl.com/

 

Facebookはこちら⇒https://www.facebook.com/mimurocl

関連記事

  1. 不妊治療基礎知識

    男性不妊についての基礎知識(2)

    今回は男性不妊の場合に、実際行われる検査について解説してまいります。…

  2. 不妊治療基礎知識

    男性不妊についての基礎知識(1)

    今回は、男性側からみた不妊治療について解説してまいります。&n…

  3. 男性不妊

    EDについてのお話

    今回は、バイアグラの登場によって急速に認知度が高まったEDについて取り…

  4. 不妊治療基礎知識

    近年における精子幹細胞の研究

    精子はどこからくるのでしょうか。男性ではご…

  5. 男性不妊

    精索静脈瘤についてのお話

    精索静脈瘤については、以前こちらで簡単に触れさせていただきました。…

  1. 不妊治療基礎知識

    セックスレスについてのお話
  2. 論文情報

    日本における単一胚移植の導入が、周産期における臨床結果の改善をもたらすか否かとい…
  3. 不妊治療基礎知識

    卵巣刺激についての基礎知識(2)
  4. 不妊治療基礎知識

    ARTについての基礎知識(2)〜精子の受精能についてのお話
  5. 不妊治療基礎知識

    甲状腺機能と不妊についてのお話
PAGE TOP