不妊治療基礎知識

精巣と精子についての基礎知識(2)~精子形成のお話

前回は男性の内分泌についてお伝えしましたが、今回は精子の形成について解説してまいります。

 

 

精巣は精細管(seminiferous tubule)のループの集合体からなっており、ここで精子がつくられます。

 

精子形成のためには、通常の体温より低い温度が適切だとされており、ヒトの精巣では約32℃が適温です。

 

そのため、精巣は陰嚢内に降下して体表に存在し、熱交換を行うことで適切な温度を保っています。

 

このような温度調整が適切に行われず、精子形成に悪影響を及ぼすと考えられている疾患として、停留精巣や精索静脈瘤があげられます。

 

●停留精巣

通常、精巣は腹部で形成され次第に陰嚢へ降下します。

停留精巣とは、精巣の下降が途中で止まり、陰嚢の中に精巣が入っていない状態のことを指します。

この症状は、新生児の5%弱の割合で発生します。

(未熟児で生まれた子はより発症率が高くなります。)

 

精索静脈瘤

精巣の静脈血液が逆流して瘤状に腫れているものを指します。

陰のう部に痛みや違和感を覚える場合もあり、正常男性の15%、男性不妊症患者の40%にみられるとも言われています。

 

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精巣の実質内に存在し、精子形成が行われる精細管には、精細胞とSertoli細胞が存在します。

Sertori細胞からはMuller管阻害物質 Mullerian inhibiting substance (MIS)やインヒビンなど多数の物質が分泌され、精子形成に関与しています。

 

このうち、インヒビンはネガティブフィードバックによって、下垂体におけるFSHの分泌を抑制する働きがあります。

 

◆インヒビン

FSHの分泌を調整するタンパク質であり、卵巣や精巣で作られて黄体形成ホルモンに影響を与えることなく、FSHの分泌を抑制します。

 

精祖細胞が精子になるまでには、いくつかの行程を経る必要があります。

具体的な変化は下記の通りであり、その期間は70日前後とされています。

 

 

<精祖細胞が精子になるまで>

 

1.精祖細胞が精巣内で体細胞分裂を繰り返して増殖し、一次精母細胞になります。

 

2.1つの一次精母細胞がDNAの複製にて2倍体となった後、第一減数分裂をして2つの二次精母細胞になります。

 

3.それぞれの二次精母細胞が二次分裂をして精子細胞ができます。

 

4.精子細胞は、核の濃縮、尾部の発達などを経て成熟し精子になります。

 

みむろウィメンズクリニック

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