前回は精子の形成についてお伝えしましたが、今回は精子や精液の特徴について解説してまいります。
まずは、精子の大きさやその形についてお伝えします。
*全長:60μm(頭部、中片部、主部、終片部に分かれる)
<頭部>
先体に覆われており受精時に卵子の膜と反応する際の先体反応のために、重要な部分となっています。
また、頭部には濃縮されたクロマチンを含み、遺伝情報が濃縮されています。
<中片部、主部、終片部>
ミトコンドリアを多く含むミトコンドリア鞘で包まれており、精子の運動のためのエネルギーを産生しています。
●先体反応
受精時に、精子が卵の表面に到達して透明体を硬化させ、他の精子と結合出来ないようにする一連の過程のことを指します。
精子は射精後はさらに運動能が増し、先体反応のための準備が行われます。
また、精子は精巣から精巣上体の中を繊毛運動などにより運ばれ、次第に成熟し、運動嚢を獲得して精巣上体頭部へと送られます。
この精巣上体を精子が通過するために要する期間は2〜12日です。
◆精液
精液は射精時に放出される液体であり、精嚢や精巣上体、Cowper腺などからの分泌液を含みます。
精嚢は膀胱の後面に左右1対存在し、容量は約3mlとなります。
1mlの精液中には平均1億個の精子が含まれ、その分泌液には精子の運動に必要なプロスタグランジンや凝固因子を含み、精子の運動性促進に関与しています。
また、精液はややアルカリ性となっています。
射精後、精液は凝固因子を含むため射精後凝固しますが、前立腺液に含まれるプロテアーゼによって次第に液状化します。
射精後に卵子へ到達するまでは約1時間となっています。
射精精子はオキシダントの影響を受けて運動能の低下や精子含有DNAの損傷を受けやすいですが、精液中にはアンチオキシダントの成分としてタウリン、チロシンなどが高濃度で含まれています。
●プロテアーゼ
タンパク質やペプチド中のペプチド結合を加水分解する酵素の総称です。プロテアーゼのうち,低分子のペプチドに作用するものをペプチターゼ,タンパク質に作用するものをプロテイナーゼといいいます。
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