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胚または配偶子の凍結保存についての基礎知識(2)

以前、胚の凍結保存についてお話いたしましたが、同様の手技を用いて精子も凍結保存することができます。こちらも、不妊治療を受けている患者さんの救世主ともなる重要な技術であり、年々需要が高まりつつあります。

 

今回は、精子を含む配偶子の凍結保存について取り上げていきますので、どうぞ胚の凍結保存と併せてお読みいただければと思います。

 
 

精子の凍結保存については現在、下記のような事例に対して実施されています。
・非配偶者間人工受精(AID)に使われる場合
・体外受精時に予め状態の良い精子を、保険として備蓄しておく場合
・体外受精時、パートナーが長期出張などで不在の場合
・抗がん剤や放射線治療実施の副作用によって、造精機能に影響があると予測される場合

 

AIDとは、男性側の不妊事由により妊娠へと導くことができないけれども、どうしても妊娠、出産を望む場合にパートナー以外の男性の精子を使うというものです。
この場合、第三者の精子を使うことになるので乗り越えるべき壁も多く、十分な話し合いやカウンセリングも必要となってきます。

 
 

次に、精子の凍結保存法の流れをご紹介します。
1.自宅または院内で、精子を採取する
2.提出された精子を遠心分離機にかけて良質な精子を回収する
3.回収した精子を洗浄し、濃縮しておく
4.液体窒素で-196℃まで下げて凍結し、保存する

 
 
諸々の理由で保存された精子は、時期がくれば融解して受精させることになります。しかし、いざ融解してみると以前よりも生存率や運動率が低下している精子が非常に多く見受けられます。その割合は個人差にもよりますが、保存期間に比例すると言われています。

 

一般的には胚と同じく半永久的に保存できる精子ですが、そこには命が深く関わってくるため倫理的・法的問題も潜んでいます。
従って、社団法人日本生殖医学会倫理委員会などの機関では、「本人が生存している期間まで」とと定められています。
各医療期間でもそれにならい、必要がなくなった精子は破棄されることになります。しかし、これよりも厳しい規定を個別に設けているところも少なくないので、よく説明を聞いて疑問点を予め払拭しておきましょう。

 
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精子の凍結保存については、これまでの実施事例も多く、方法も確立しているので安全性が高いといっていいでしょう。
しかし、卵子側の凍結となると話はそう簡単ではありません。

 

卵子の凍結は、胚や精子の凍結保存に比べるとその歴史は浅く、融解した卵子での妊娠率も高くありません。また、どの発育段階の卵子を凍結すべきかという課題も残されており、これまでの実施例も少ないのが現状です。

 

さらに、パートナー不在の場合でも卵子の老化を懸念して保険的に凍結保存を希望されるケースもありますが、残念なことに卵子を融解して使用するという段階まで至らない事例も多くみられます。
もし、卵子の凍結保存検討される場合は、これから起こりうる様々な環境を考慮しながら、十分な検討を重ねることが大切です。

 

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