不育症について
不育症とは、妊娠はしますが流産・死産を繰り返すなどして生児を得られない状態と定義されています。
妊娠したことのある女性の38%は流産を経験し、3回以上連続する習慣流産は約1%と言われています。
不育症の原因は、抗リン脂質抗体症候群、子宮奇形、夫婦染色体異常、胎児染色体数的異常であり、原因不明が25%です。
以下のスクリーニング検査を行っています。
内分泌代謝異常
高プロラクチン血症
甲状腺機能異常
検査
血液検査にてそれぞれのホルモン値を測定します。
治療
それぞれのホルモンのコントロールを行います。
甲状腺機能異常に関しては、甲状腺専門施設と連携しています。
抗リン脂質抗体症候群
下記の合併症を併発することが多いといわれています。
- 子宮内胎児死亡
- 早発型妊娠高血圧性腎症
- 子宮内胎児発育遅延
- 胎児機能不全による羊水過少
- 胎盤早期剥離
- 血小板減少症
検査
ループスアンチコアグラント
抗カルジオリピン抗体IgGかIgM
抗β2 glycoprotein I抗体
治療
低容量アスピリンと未分画ヘパリンによる抗凝固療法などを行います。
凝固異常
- プロテインS・C欠乏症
- 妊娠中後期の流死産、子宮内胎児死亡のリスク因子
- 第XII因子欠乏症
- 妊娠初期の流産と34週未満の早産との関係が報告されています。
治療
低容量アスピリンと未分画ヘパリンによる抗凝固療法などを行います。
染色体異常
流産胎児の染色体異常を来す割合が多くなります。
検査
ご夫婦の染色体検査を行うことにより対策を検討いたします。