卵子凍結

卵子凍結とは

卵子凍結とは、将来の妊娠の為に行う体外受精に備えて、若い時のご自身の卵子を採取し、未授精の状態で凍結保存しておく技術です。凍結保存することにより、若い時の質を保った状態で長期間の保存が可能になります。

女性の卵子は、胎児の頃から卵巣にあり、女性の年齢と同じように卵子も年を重ねていきます。 また、女性の年齢による卵子の質の劣化だけではなく、数も減少していきます。その結果、年齢と共に女性の妊娠する能力に大きく影響します。
この卵子凍結の技術は、年齢を重ねても女性が妊娠・出産できる可能性を高める一つの手段です。

卵子凍結のメリット

先述したように女性の卵子は、年齢により質が低下し、数も減少します。妊娠する能力は35歳から低下し始めるとされ、40歳を超えると妊娠する能力は顕著に低下しますので、若いうちに卵子を凍結保存し、年齢を重ねてからの妊娠に備えることができる卵子凍結の選択は一つのメリットと言えます。
また近年、女性の社会進出と晩婚化などの社会現象から、卵子凍結を選択する方が増加しています。

卵子凍結のデメリット

卵子凍結をしたからといって、必ず妊娠ができるわけではありません。
海外の論文では、凍結卵子の融解後の生存率は90～97%、受精率71～79%、胚移植当たりの妊娠率は36～55%であり、融解卵子1個あたりの妊娠率は4.5～12%と報告されています。1個の卵子が妊娠して出産する率は5%程度であるとされています。
別の報告では、卵子10個あたりで妊娠できる確率は、採卵時の年齢によりかなり異なり、30歳以下で80%程度、31～34歳で75%程度、35～37歳で53%、38～40歳で30%、41歳以上で20%以下と言われています。

排卵誘発剤による卵巣過剰刺激症候群や、採卵による卵巣からの多量の出血、麻酔によるアレル ギーなど、まれではありますが起こりうる場合があります。身体に多少なりとも負担がかかることはデメリットの一つでしょう。

対象となる方（年齢制限について）

日本生殖医学会のガイドラインでは、卵子凍結を目的として採卵する年齢は、40歳以上は推奨されず、また凍結保存した卵子を使用する場合は、45歳以上は推奨されていないと記載されています。これに則り、当院でも39歳までを推奨します。40歳以上の方は医師に直接ご相談いただいています。

卵子凍結までのスケジュール

約7日程度の来院が必要となります。（来院日数は患者様によって前後します）
採卵周期に入ると約2～3日おきの診察や注射等が必要です。

事前検査

健康状態の確認、感染症の有無、卵巣の予備能（AMH）や月経中のホルモンなどの採血や超音波検査を行います。
※AMHとホルモン検査の結果で卵巣刺激方法を選択していきます

排卵誘発

月経開始3日目にホルモン採血を行い、内服と注射薬を用いて卵巣刺激を開始します。

採卵日決定

誘発開始後2～3回目の診察で採卵日が決定します。
十分な卵胞発育を確認し、最後に成熟を促すための薬剤を使用します。

採卵

採卵は局所麻酔と静脈麻酔を併用して行います。当日は朝9時に来院し、帰宅はお昼頃となります。帰宅後は自宅での安静をお願いします。

診察（結果説明）

約1週間後に診察と卵子凍結結果の報告があります。

保管について

当院では、卵子凍結が実施可能です。
採卵と凍結までを当院で実施し、凍結した卵子の保管・管理は（株）セルソースが担当します。

費用

卵子凍結の為の治療は、初診より全て自由診療となります。
また、当院での採卵費用と（株）セルソースとの卵子保管や出庫に関する費用がかかります。
あらかじめご確認ください。
※当院は現金のみでのお支払いとなりますので、ご了承ください。

1.東京都助成金をご希望の方

東京都に住む18歳から39歳（40歳未満）までの方（採卵を実施した日の年齢）で、要件を全て満たした方は東京都の助成が受けられます。
詳しくは東京都福祉局ホームページをご覧ください。

2.上記以外での卵子凍結をご希望の方

※東京都以外でも助成を受けることが可能な自治体もありますのでご確認ください。
詳細な費用に関しましては、受診時にご説明します。

ご予約と持ち物

WEBより『卵子凍結初診』でご予約いただき、WEB問診の記入をお願いいたします。
WEB予約・問診はこちら

【持ち物】
・決定通知書（印刷してお持ちください）※東京都の助成を受ける方のみ
・保険証
・写真付き身分証明書