多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは
女性は卵子を包んでいる卵胞が毎月1つ発育して1つの卵子を排卵します。
しかし多嚢胞性卵巣症候群の方は、多数の卵胞が卵巣内に生じることにより、どの卵胞も発育せず、結果的に排卵障害になってしまう病態です。
主な症状
- 排卵障害による不正出血、月経不順になり重症化すると無月経になることがあります。
- 血液中の男性ホルモンが増加するため、多毛やニキビなどが生じやすくなります。
- 血液中のインスリンが増加するインスリン抵抗性により肥満体型になる方がいます。
- 排卵障害により不妊症になります。
原因
原因は完全には解明されていませんが、近年インスリンの働きが低下することが起因しているとされています。
診断
血液中のホルモン検査で卵巣刺激ホルモン(FSH)より黄体化ホルモン(LH)が高値になります。
また血液中の男性ホルモンが高値になることもあります。
超音波検査にて卵巣内に多数の卵胞を認めます。
空腹時の血液検査にて糖尿病予備群であるか診断します。
治療
肥満があれば運動、食生活の改善などで減量を図ります。
妊娠を希望するかしないかで治療法が異なります。
妊娠を希望しない若年者から性成熟期の女性の場合
軽症の場合にはサプリメントでの治療を行います。
また無排卵による不正出血や子宮内膜癌のリスクをさげるために低容量ピルを用いて定期的な出血を起こします。
妊娠を希望する場合
排卵誘発剤を用いて排卵を促し、妊娠を目指します。
糖尿病予備群である場合には、その治療やサプリメントも併用します。